学習塾の開業方法と必要な費用・失敗しないためのコツ

塾を開業したいと思っている人もいるでしょう。
塾は比較的低予算で開業できることもあり、人気の職種の一つです。
しかしなかには「塾の開業ってどうやってするの? どのくらいお金がかかるの?」といった疑問を持っている人もいると思います。
ここでは、そのような人たちのために塾の開業のために必要な資金や成功のポイントなどを紹介。
塾の開業を目指している人は、ぜひご覧ください。

学習塾の開業に必要な費用

塾を開業したい、と思っても先立つものがなければ実現できません。
ここでは、塾の開業に必要な費用を紹介。
開業を志している人は、ぜひ参考にしてください。

初期費用

塾の開業に必要な初期費用は以下のようになっています。

1.物件取得費用

塾を開くには、まず教室となる物件を取得しなくてはなりません。
立地は塾が繁盛するか否かに大きく関わってくるので、できるだけ妥協しないようにしましょう。
家の中にスペースがあるのであれば、家賃等はかかりません。
しかし自宅内に教室のための部屋がなければ、場所を借りる必要が出てきます。
築年数などはあまり関係ないので、なるたけ周囲にファミリー世帯が多く、子どもが通いやすい場所にある物件を選びましょう。

また場所によっては、内装工事も必要です。
塾のコンセプトに合った内装にするよう、工事会社に依頼しましょう。

2.設備代

学習塾を開業するには、備品・什器も揃えなくてはなりません。
看板、机、黒板、ホワイトボードなど必要なものを購入していきましょう。

3.教材費

塾を開業するにあたっては、教材も集めなくてはなりません。
塾用の教材は、教材会社から購入するのが一般的です。

4.広告宣伝費

塾においても、昨今は宣伝が欠かせません。
広告宣伝費には、塾のホームページの作成・運用費用、チラシ代などが含まれます。

塾は比較的低予算で始められるものの、生徒募集に思わぬ苦労が発生することもあります。
とくに個人塾を開業する場合、知名度や信頼性がないと、なかなか生徒が集まらず、すぐ倒産してしまうことも。
そうならないためにも、ある程度広告宣伝費をかけることは重要です。

ついお金をかけずに、「生徒が集まってくれるといいな」と思いがちですが、甘い考えは禁物。
「待っているだけでは生徒は集まってこない」と肝に銘じ、必要な資金を投じるようにしましょう。

学習塾の開業に必要な準備

学習塾を開業するために必要な準備を紹介します。
学習塾を避雷期待と思っている人は、参考にしてください。

1.塾の開業に必要な資格

学習塾の場合、先述のとおり、資格は必要ありません。

じゃあ、何もいらないかというと、あったほうがいい資格というのも存在します。

例えば、英検やTOEICは英語を教える先生になるのであれば、取っておいたほうがいいでしょう。

ほかにも、学習塾講師検定といった資格もあります。
学習塾講師検定は、「塾検」と呼ばれる民間資格で、講師として一定以上のスキルがあることの証明になります。
塾講師は教員のような免許がない分、自分のスキルやノウハウをアピールしづらいところもあります。
民間資格であっても、資格を取得していることを伝えれば、安心感を持つ保護者も出てくるかもしれません。

また教員免許を持っている人は、その旨をアピールするのもいいと思います。

塾の開業に資格は不要ですが、あったら良さそうな資格を取得しておくのもいいでしょう。

2.塾の開業に必要な届け出

塾を開業する際は、まず税務署に開業届を提出する必要があります。
開業届とは、個人事業主が事業を開始する際に提出しなくてはならない届出です。
開業届の提出に費用は一切かかりません。
開業から1カ月以内に提出しなくてはならないので、早めに出しましょう。

同時に青色申告承認申請書も提出するといいです。
青色申告承認申請書とは、青色申告特別控除という控除を受けられるための書類。
税務申告の際、白色申告と比べて書類作成の手間がかかるものの、最大65万円もの控除を受けることができます。
こちらは開業から2カ月以内に提出する必要があるので、できれば開業届と一緒に提出しましょう。

また自治体に事業開始申告書も提出しなくてはなりません。
事業開始申告書の提出期限は、各自治体によって異なるため、ホームページなどでチェックしましょう。

学習塾の開業方法

学習塾を開業するにはどうすればいいのでしょうか。
ここでは、学習塾開業のために必要な手続き・手順をお伝えします。

1.開業準備の期間

塾の開業期間は短く、最短で1~3カ月程度で開くことができます。
塾の開業のための準備期間はなぜ短いのか?
理由の一つが、資格の取得が不要なためです。

例えば、飲食店を開きたいと思ったら、食品衛生責任者や防災管理者といった資格を取得する必要があります。
ほかにも、食品営業許可や防火管理者責任届けなどさまざまな届け出も提出しなくてはなりません。

しかし塾の場合、開業届と事業開始申告書さえ提出すれば、塾そのものは運営できます。
どちらもホームページなどからフォーマットをダウンロードして、必要事項を記入して提出すればOK。
試験をクリアしたり、講習を受けたりする必要はありません。

また塾は教員免許を取得していない人でも開業できます。
そのため、運営のために必要な場所や人員など最低限のものさえ用意できれば、1~3カ月程度の準備期間で開業することができるのです。

2.塾のコンセプトを決める

塾を立ち上げようと思ったら、まずコンセプトを作ることが大切です。
コンセプトとは「どのような塾にするか」という理念や方針といったもの。
コンセプトによって、生徒が集まる塾にも、まったく人が集まらない塾にもなります。

まずコンセプトを作るうえで大事なのが、ターゲット選定です。
塾と一口にいえども、その種類はさまざま。
一人ひとりに寄り添う指導が魅力の塾もあれば、高い合格実績を売りにしている塾もあります。
勉強が苦手な子を指導する塾にするのか、名門校に合格したい子だけを扱う塾にするのかなど、ターゲットを決めていきましょう。

例えば、ターゲットを「勉強が苦手な小学校低学年の児童」と定めるのであれば、宿題をたくさん課すよりも、遊びながら学べるような楽しさあふれる塾にしたほうがいいかもしれません。
逆に「東大合格を目標とした高校生・浪人生」をターゲットにするのであれば、講師陣も東大卒の人たちを集めたほうがいいでしょう。

塾のコンセプトによって、場所や集めるべき人材も変わってきます。
どのような塾を運営したいのか、改めて考えるようにしましょう。

3.設備や教室の準備

コンセプトが決まったら、理念・方針に適した教室を探し出しましょう。
とくに教室の立地は、一度決めたら容易に変更することはできません。
ファミリー層が住んでいそうなことはもちろん、帰り道が暗いと親御さんは心配なので街灯はあるか、送迎する親御さん向けに駐車スペースはあるかといった点も確認しておきましょう。

教室を準備できたら、必要な備品も用意しなくてはなりません。
机、イス、ホワイトボード、パソコン、電話・FAX、コピー機などの設備も準備しておきましょう。

「良い塾にしたい!」という思いが強すぎると、ついつい賃料や備品などにお金をかけてしまいますが、初期投資はできるだけ安くすることを心がけて。
計画通りに、集客できなかった場合、運営資金が尽きてすぐに赤字に転落してしまいます。

教室に適したスペースがあれば、自宅開業もおすすめです。
自宅開業は賃料がかからないうえ、家賃や光熱費などの一部を経費計上することもできます。

ただし、自宅開業は趣味の延長と思われやすく、対外的な信頼を得にくいのも事実です。
「大勢の生徒を集めたい」「将来、多店舗化したい」などの野望がある人は、適したスペースを借りることをおすすめします。

4.諸手続き

塾を開業するには、諸手続きが必要です。
一つ目が、開業届。
開業届は塾に限らず、個人で事業を開始したいと思った人は全員提出しなくてはなりません。
開業届は納税地の税務署に提出する必要があり、窓口に持参するほか、郵送やインターネット(e-Tax)でも受け付けています。

もう一つが、最寄りの役所に提出する事業開始申告書です。
これも事業を開始したことを各都道府県に知らせるために必要な書類。
開業届は国税に関する書類ですが、事業開始申告書は地方税に関わる書類となります。

事業を始め、利益が出るようになったら、当然のことながら税を納めなくてはなりません。
そのためにも、書類を必ず提出するようにしましょう。

5.講師の採用と教育

ある程度の準備が整ってきたら、塾講師を採用していきましょう。
主な塾講師は大学生です。
しかし近年は主婦などを採用する塾も増えています。

講師の採用の際は、面接と筆記試験を行います。
面接ではコミュニケーション能力を、筆記試験では最低限の学力があるかどうかをチェックしていきましょう。

採用した講師は、採用したら終わりではなく、生徒に適切な指導ができるようマネジメントしていかなくてはなりません。
講師が指導方法や生徒との接し方などの悩みを持っていたら、相談に乗ったり、解決してあげたりするのも一つの仕事です。

とくに未経験の講師は、研修を受けたといっても、最初はさまざまなことにつまずくでしょう。
その際、すぐ顔色の変化などに気づき、適切に声掛けしてあげることで、講師のモチベーションも保たれます。

採用した講師の能力をどこまで伸ばしていけるかは、塾長のスキルにかかっています。
雇った講師も、そして授業を受けた生徒も「この塾に入って良かった」と思えるようなマネジメントをしていきましょう。

6.生徒の集客

講師の採用も終わり、いよいよ開校となったら、生徒を募集しましょう。
すべての業種において、“お客さん”がいなければ事業は始まりません。
たとえ素晴らしい教材や講師を獲得したとしても、生徒がいなければ、意味がないのです。

開業当初の塾は、おそらく生徒の集客に苦労すると思われます。
チラシをまいたり、ホームページを制作したり、SNSを運用したり、広告を出したりするなどして、生徒を呼び込んでいきましょう。

とくに個人塾は大手と違って、信頼性に落ちる傾向があります。
そのため、大手の真似をしても、勝てません。
個人塾ならではの強み(一人一人に寄り添った指導、進路相談に乗る、勉強以外の学校生活にも気を配ってくれるなど)をアピールし、「この塾に入りたい!」と思ってもらいましょう。

塾経営者の年収

塾を開業すると同時に気になるのが、塾経営における年収。
いったいいくらぐらいもらえるのだろう……? 前職より増える、それとも減ってしまう……? と気になっている人も多いと思います。
ここでは、塾経営者の年収についてお伝えします。

1.個人経営者の年収

個人で塾を経営する場合の年収は300万円ほどといわれています。
個人塾の場合、信頼性が低く、生徒を集めるのが難しいため、どうしても高収入を得るのが困難になってしまうのでしょう。

しかしなかには2,000万円近い年収を稼ぐ強者もいます。
これらは、塾のブランド化に成功し、多店舗運営している経営者に多いといえます。

個人塾はフランチャイズに比べて、ルールや制限がないため、自分たちの思い通りに塾を運営できます。
そのため、ほかにはないアイデアや指導方法などが広まることで、思わぬ業績を上げられるかもしれません。
毎月支払わなければならないロイヤリティも発生しないため、実力に自信のある人は個人塾を経営してみるのもいいと思います。

2.フランチャイズの年収

フランチャイズの場合、年収は400万~500万円程度といわれています。
フランチャイズにおいても、多店舗運営に成功すれば、2,000万円以上稼ぐことも夢ではありません。

フランチャイズのメリットは、知名度があるため、開校してすぐ生徒が集まりやすいところです。
また本部がサポートしてくれることもあり、経営に困ったとき相談相手がいるというのは心強いと思います。
初めての塾経営で、ノウハウなどの点で自信がないといった人は、フランチャイズを利用してみるのもいいでしょう。

学習塾経営の失敗しないためのコツ

塾経営を成功させるにはどうすればいいのでしょうか?
ここでは、失敗しないためのコツをお伝えします。

1.コンセプト・ターゲットを明確にする

学習塾経営に欠かせないのがコンセプト・ターゲットの明確化。
塾は現在過当競争にさらされており、どの塾も生き残りに必死です。
そのため、どこにでもありそうなコンセプトの塾では負けてしまいます。

「この子たちはうちの塾に入らないと成功できない」と思わせるようなコンセプトを創り出しましょう。
そのためには、明確なターゲット選定が必要です。
どのような指導を、誰にしていきたいのか、よく考えてから開業していきましょう。

2.自社に合った経営方法を考える

塾といえども、色々な種類があります。
集団指導から個別指導、映像を使ったオンライン配信までさまざま。
対象とする生徒も、小学生から高校生まで多種多様です。

そのなかでも自社に合った経営はどのようなものか考えていきましょう。

多店舗展開して、高い業績を上げることが必ずしもいいとは限りません。

自分はどのような塾を運営していきたいのか。
思いを明確にし、自分たちに合った方法で経営していきましょう。

3.立地を考える

塾を成功させるには、立地が非常に重要。
できれば駅や学校などから近く、自宅からでも学校帰りでも気軽に通える場所がいいです。

塾周辺の治安の良さも欠かせません。
真っ暗な夜道を通わせるのは心配といった親御さんは大勢います。

周囲に建物や人通りがあったり、または駐車スペースがあるなど送迎しやすかったりする場所にある塾は失敗する確率が低くなるでしょう。

塾のフランチャイズのメリットとデメリット

こちらの記事では、学習塾の経営者向けに、学習塾のフランチャイズのメリットとデメリットについて解説しております。

フランチャイズでの塾経営を考えている人もいると思います。
しかし、フランチャイズのメリット・デメリットはいったい何だろう? 成功するコツとは? と気になっている人も多いでしょう。

これからフランチャイズで塾を始めようと思っている方や、塾を始めたもののあまり上手くいっていないといった方はぜひご覧ください。

塾のフランチャイズのメリットとデメリット

開業して、より多くの生徒の夢を叶えてあげよう

塾の開業についてお伝えしました。
塾は特別な資格も不要で、比較的開業しやすい業種ですが、生徒集めなどの苦労もあります。
近年は、とくに塾の過当競争が起きており、倒産する塾も少なくありません。
しかし生徒や保護者のことを心から思い、指導を行っていけば、塾経営での成功も夢ではありません。
ぜひ開業して、多くの生徒の人生に関わっていきましょう。

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