小さな塾を開業手順や経営のポイント

子どもと接することが好きな方に向いている仕事のひとつが塾講師です。
学習塾を運営している会社で従業員として働くという方法のほかに、ある程度ノウハウを積んでから、自分で小さな塾、いわゆる個人塾を開業するという方法があります。

そこで本記事では、小さな塾を開業する際には具体的にどのような準備を行えばよいのか、基本的なポイントを解説します。
個人で小さな塾の開業をしてみたいとお考えの方の参考となれば幸いです。

大手にはない小さな塾の3つの強み

小さな塾は、大手にはない独自の強みが3つあります。

ここでは、小さな塾ならではの強みを紹介します。

強み①柔軟性の高い指導ができる

まず紹介する小さな塾の強みは、個人経営のためスケジュールや指導内容などの面で大手よりも柔軟性の高い対応ができるという点です。
大手の場合は、指導のカリキュラムや講師側に課せられる細かなルールなどが予め運営会社ごとに決められており、教室を問わずルールに則った対応をすることが求められます。

この方法では、教室が違っても一定の品質を保ちつつ効率的に指導ができるというメリットがありますが、一方で臨機応変な対応が難しいというデメリットもあるのです。
小さな塾の場合は、自分で経営を行うため、どのような指導を行うかどうかも自分で決められます。

そのときの状況や生徒ごとに適切な指導を考えて、臨機応変な対応ができるという点は小さな塾ならではの強みといえるでしょう。

強み②生徒一人ひとりに向き合って指導できる

小さな塾の場合、1コマごとの生徒の人数は大手よりも少なくなります。
そのため、生徒全員に目が行き届き、一人ひとりに適切な指導ができるというのも小さな塾の強みです。

小さな塾の場合、個別指導だけでなく、授業形式の集団指導であっても、個別指導のように生徒一人ひとりに向き合うことができます。
できるだけ多くの生徒と交流して、それぞれに適切なアプローチで勉強を教えられるため、生徒のタイプによっては大手よりも勉強の成果が出るかもしれません。

強み③固定費を抑えて経営できる

小さな塾の強みには、小規模ならではのコンパクトな経営によってコストを抑えられるというものもあります。
たとえば、塾のためにテナントを別途借りず、ご自宅の一部を使って塾を開業するという方法を選べば、通常ならば塾の経営で必ず発生する家賃がかかりません。

また、ご自身で経営と講師を兼任し、講師を雇わないのであれば人件費も発生しないでしょう。
もし、生徒が増えてきて人手が必要になってきた場合も、まずはアルバイトで講師を採用すればおおよそ問題ないため、社員を雇うよりも人件費がかかりません。

さらに、複合機や机、椅子などの備品も、元々ご自宅にある家庭用のものが使えるのであれば新しいものを別途購入する必要はないでしょう。

小さな塾を開業するための手順

小さな塾は、手順さえ踏めば特別な資格なども必要なく開業できます。

ここでは、小さな塾を開業するための手順を5つのステップに分けて紹介します。

関連記事>>塾開業に必要な資格や費用・流れ

手順①事業計画を立てる

まずは、どういった塾を経営して収入を得ていくのか、という、いわゆる「事業計画」を立てます。
自分が実際に小さな塾の経営や生徒への指導を行っている様子を想像しながら、詳細な内容を決めていきましょう。

具体的には、以下の内容を決めるとよいでしょう。

<小さな塾の事業計画で決めたい内容>

  • 塾の目的
  • 対象年齢
  • 指導方法(個別指導か集団指導か)
  • 教室の人数

手順②塾の場所を決める

次に、塾の場所を決めましょう。

塾を開業する場所は、ご自身の自宅を使う方法かテナントを別途借りる方法のうちどちらかを選ぶことになります。

プライベートのスペースと塾として使用するスペースを区切ることができるのであれば、ご自宅を使っても問題ないでしょう。
家賃がかからないため、初めてでなかなか生徒が確保できないという場合にも赤字になるリスクを抑えられます。
テナントを別途借りる場合は、生徒が通っている学校から近い場所であることが望ましいです。

学校から一旦帰宅して、自宅から塾に向かう際と、学校から直接向かう際、いずれの場合でも通いやすい場所を選びましょう。
また、保護者が生徒を送迎することも考えられるため、駐車スペースのある物件があるとより良いでしょう。

手順③必要な書類を提出する

塾の事業計画や場所が決まったら、個人事業主として塾の開業するための書類を用意しましょう。

書類の提出先は、塾を開業する場所の都道府県です。
事業開始から1か月以内に書類を提出することが義務付けられていますが、小さな塾の開業には準備することがたくさんありますので、書類は事前に揃えておくと安心でしょう。

以下に具体的な書類の一覧をまとめました。

<小さな塾の開業に必要な書類>

  • 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)
  • 事業開始等申告書
  • 所得税の青色申告承認申請書

手順④備品を準備する

書類の用意が終わったら、必要な備品を揃えていきます。

開業場所が自宅かテナントかによって必要な備品も異なります。
テナントのほうが新しく揃える必要のある備品は多くなるので、ここではテナントで小さな塾を開業する際に必要な備品を紹介します。

<小さな塾の開業で準備したい備品の一例>

  • 机・椅子
  • ホワイトボード
  • 筆記用具
  • 教材
  • 複合機
  • ビジネスホン
  • 空調設備

上記はあくまで一例ですので、状況によっては用意する必要のない備品もあるでしょう。
たとえば、書類や教材の印刷に、ご自宅にある家庭用プリンターを使うのであれば複合機は不要です。

また、受付スタッフや講師が必要な場合は、このタイミングで採用活動を行いましょう。

手順⑤生徒の募集を行う

塾の準備が整ったら、いよいよ生徒の募集を行います。

そもそも塾の存在を知ってもらうためには、広報活動も欠かせません。
チラシのポスティングや、SNS上での告知、また説明会に訪れた保護者に渡すパンフレットの作成も忘れずに行いましょう。
告知の際は、大手にはない小さな塾ならではの強みを適切に打ち出すことで興味を持ってもらえる可能性が高くなります。

塾に興味をもった家庭からの問い合わせを受けたら、無料体験会や保護者への説明会などを実施して、入塾する生徒を集めましょう。

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小さな塾で成功するためのコツ

小さな塾を初めて開業する多くの方は、うまく経営できるかどうか不安に感じられているのではないでしょうか。
小さな塾の経営で成功するためには、いくつかのコツを押さえることが大切です。

ここからは、4つのコツを紹介します。

コツ①大手と競合しない

まず1つ目に紹介するコツは、大手の塾を意識せず、競合するようなことはしないということです。

大手の塾には、大手ならではの資金力や、長年の経営で培ってきたノウハウ、また大手であること自体を活かしたブランド力があります。
そのような大手ならではの強みに、個人が開業したばかりの小さな塾が勝つことはなかなか難しいでしょう。

しかし、大手に生徒が取られてしまうことを諦めるというわけではもちろんありません。
大手には大手の良さ、小さな塾には小さな塾の良さがそれぞれあるはずです。

大手にはない、小さな塾ならではの強みを意識して、積極的に打ち出していくことが大切です。
そうすることで、たとえ大手の塾が近くにあるエリアであっても、小さな塾を選んでくれる家庭も出てくるでしょう。

コツ②宣伝をしっかりと行う

2つ目のコツは、塾の宣伝をしっかりと行うということです。

個人経営の小さな塾で、尚且つ開業したばかりの状態では、知名度は限りなく0に近い状況です。
塾の魅力を伝えるためには、まず塾の存在を知ってもらう必要があります。
基本的な宣伝・広告の方法としては、チラシのポスティングやポータルサイトへの登録、SNS上での情報発信などがあります。

そこで興味を持って問い合わせてくれた家庭に対して、説明会や無料体験を実施し、塾に魅力を感じてもらえれば契約という流れが一般的です。
ある程度の生徒に入塾してもらえてからは、口コミや友達紹介などによる集客も期待できます。
保護者や生徒間で良い口コミを広めてもらえるよう、常日頃から授業の品質の向上や保護者へのフォローはしっかりと行うようにしましょう。

関連記事>>生徒が集まる塾チラシの作り方

コツ③固定費を抑える

3つ目のコツは、塾の経営にかかる固定費をできるだけ抑えるということです。
特に、開業当初はまだ塾も駆け出しで、生徒もあまり集まらないことが考えられます。

万が一、なかなか生徒が集まらなかったときも赤字となってすぐに倒産してしまうようなリスクを避けるためにも、開業当初の固定費は抑えることを意識しましょう。

具体的には、まず塾の運営にかかる家賃が挙げられます。
最も家賃を抑えられる方法は、先ほども紹介したように自宅を使うという方法です。

しかし、ご自宅の事情によっては別途テナントを借りたほうがよいという場合もあるでしょう。
テナントを借りる必要がある場合は、あまり広くない物件を借りて家賃を抑える方法がおすすめです。
開業当初は生徒の人数も少ないことが考えられるため、そこまでの広さは必要ないでしょう。

ほかにも、固定費には備品のリース料金やスタッフの人件費などがあります。
複合機などの備品のリース料金については、業務用のものを使わずに家庭用のものを使うことで固定費を抑えられます。
スタッフの人件費については、はじめのうちはご自身で経営と講師を兼任することで講師を雇う必要がなくなるため、人件費も発生しません。

開業当初は固定費を抑えられる部分では抑えて、塾が徐々に成長して費用をかける必要が出てきたときに適切に固定費の予算を増やしていくことをおすすめします。

小さな塾を開業するために必要な費用の目安

最後に、小さな塾の開業に必要な費用の目安を紹介します。

ここでは、1コマあたりの生徒の人数が5人程度の小さな塾を、テナントを借りて開業すると仮定して計算します。

<小さな塾の開業資金の目安>

  • 物件取得費:100万円
  • 内装工事費:100万円
  • 教材費:20万円
  • 宣伝広告費:50万円
  • 机:5万円
  • パイプ椅子:1万円
  • 本棚:5,000円
  • ホワイトボード:2万円
  • プリンター:2万円

上記を合計すると、約280万円の資金が必要となります。
物件取得費とは、物件を契約する際に必要な、いわゆる初期費用のようなものです。

住居の契約で必要な敷金・礼金や仲介手数料のほか、テナントの場合は「保証金」というものが別途必要になります。
一般的には家賃の6か月分程度の金額を保証金として求められる傾向があります。

総合塾保険とは?必要性と特徴

こちらの記事では、塾総合保険とはどのような役割があるのか、基本的な仕組みや保険会社に補償される項目などについて紹介します。
塾の開業の準備を進める際に考えておきたいことはいくつかありますが、そのうちの一つが塾総合保険への加入です。
加入していることで、学習塾の経営者だけではなく、通っている生徒やその保護者も安心できるでしょう。
これから学習塾の開業を検討されている方はご一読ください。

総合塾保険とは?必要性と特徴

小さな塾の開業で成功するコツは、大手と競合しないこと

以上、小さな塾を開業する手順や、成功のコツなどを紹介してきました。
小さな塾は、資金力や知名度の面でどうしても大手と比べると劣ってしまいます。

しかし、柔軟性の高い対応や生徒一人ひとりに向き合ったアプローチなど、小さな塾にしかない強みがあるのもまた事実です。
大手と直接的には競合せず、小さな塾ならではの強みを活かして経営を成功に導きましょう。

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