塾を経営するうえで、生徒を定着させることは課題の1つです。
生徒の退塾を防ぐためには、その理由を把握し対策を立てる必要があります。
そこで、本記事では学習塾を生徒が退塾してしまう理由や、それを防ぐ方法を解説します。
生徒を定着させて塾の経営を安定させたい方は、ぜひご参考になさってください。
生徒が退塾する理由
生徒が退塾してしまう理由には、さまざまなものがあります。
ここでは、生徒自身が退塾を考える際の理由と、保護者が子どもを退塾させようと考える理由を紹介します。
<生徒生徒自身が退塾を考える理由>
- 思うように成績が上がらない
- 講師との相性が合わない
- 環境を変えたい
<保護者が子どもを退塾させようと考える理由>
- 子どもの成績が思うように上がらない
- 子供の勉強に対するやる気が見られない
- 講師の指導内容が見えない
- 金銭面が効果に見合わない
上記をみると、生徒も保護者も成績が思ったように上がらないことに不安を覚え、退塾を検討することがわかります。
生徒はそれに加えて、講師や勉強する環境が自分に合っていないと感じると退塾を検討することが読み取れます。
一方で保護者は、成績以外の理由としては、子どものやる気や講師の指導内容など自分の目に見えない部分に不安を感じると退塾の意向を示すようです。
また、授業料も決して安くないので、費用に見合った効果が出ているのかどうかに対してもシビアな目を持つことも少なくはないでしょう。
このように、生徒と保護者が退塾を希望する際にはさまざまな理由がありますが、塾に対して何かしらの不安を抱えた際に退職を考え始めるという点がすべてに共通しています。
そのため、塾側が常日頃から生徒や保護者としっかり意思の疎通をはかり、不安を取り除くことが退塾を防ぐための方法といえます。
生徒や保護者とのコミュニケーションが不足してしまう原因とは?
退塾を回避するには十分に意思の疎通を行うことが重要だということを解説しました。
言い換えると、コミュニケーションが足りていないと退塾の危険性が生まれやすくなるといえます。
では、コミュニケーションが足りなくなるのはなぜでしょうか。
ここでは生徒、保護者それぞれとのコミュニケーションが不足する理由を見ていきましょう。
生徒と塾のあいだで不足する理由
生徒側と塾側のコミュニケーションが不足してしまう理由一つに、自分から話すことが苦手な生徒がいるということが考えられます。
そういった生徒は、悩みや不安があったとしても自分からはなかなか相談することができずに、自分のうちにため込んでしまいます。
そして最終的には退塾という判断をするという可能性が高まるでしょう。
ほかにも、生徒とのコミュニケーションが不足する理由には、担当の講師が忙しく生徒一人ひとりと十分に話す時間が取れないという理由も考えられます。
生徒とのやりとりが不足しないように、塾の講師やマネージャーは生徒一人ひとりとできる限り向き合えるよう意識することが重要です。
そのためにも生徒の小さな変化を見逃さないようにしましょう。
保護者と塾のあいだで不足する理由
保護者側と塾側のコミュニケーションが不足してしまう理由の一つに、保護者が子育てや仕事、家事などで忙しいことが挙げられます。
塾からの連絡に反応できないことや定期面談の予定を確保できないことから会話をする回数が減ってしまいます。
事前に保護者が連絡を取りやすい時間を聞いておき、保護者の負担にならないような工夫を心がけましょう。
そして、保護者とコミュニケーションをとる機会が不足するもう一つの理由として、保護者が子どもの学習にあまり関心を持っていないということも考えられます。
教育への関心が低ければ、塾との面談などの約束事はおろそかにされやすくなります。
こういった場合は、保護者の子どもの教育への関心を少しずつ高めてあげることが重要です。
こういった保護者がいる場合は、塾側で優先順位を上げて対応をするとよいでしょう。
退塾が起こらないように意識したいこと
退塾が起こらないように、生徒や保護者とコミュニケーションをとるためには、普段からどんなことを意識すればよいでしょうか。
ここでは、それぞれに対して意識したいことを紹介します。
生徒に対して意識したいこと
生徒とのコミュニケーションでは、生徒が塾に来たいと思う理由を増やすことを意識して接するとよいでしょう。
たとえば、塾の授業が楽しいことや、学力が向上していることを生徒が実感すると、生徒のモチベーションは上がり積極的に塾で勉強したいと思うようになります。
講師から生徒への一方的な授業ではなく、生徒が活発に意見を言えるような授業を心がけることが大切です。
また、生徒の苦手な部分をうまく補えるよう、生徒が勉強で課題に感じていることをヒアリングすることも重要です。
授業以外でも、生徒が普段の生活で抱えている悩みを聞いてあげることでも、生徒は塾に来たいという気持ちが増します。
勉強だけではなく、ひとりの人間として成長するうえで大事なアドバイスなどもできるように意識しましょう。
保護者に対して意識したいこと
保護者とのコミュニケーションで意識したいことは、保護者と教育方針のすり合わせを十分に行っておくことです。
保護者が感じている子どもの学習に関する課題をしっかりヒアリングし、その課題をどのように解決するかを一緒に考えて決めます。
定期的な保護者との面談で、その進捗具合を報告することで保護者と塾とのあいだに信頼関係が生まれるでしょう。
保護者と強い信頼関係を築くことができれば、もし生徒が退塾の意向を示しても保護者とともに生徒を説得できる可能性があります。
生徒や保護者が退塾を考えている際に現れる兆候
できるだけ生徒や保護者が退塾を考えないような対策を心掛けたいですが、どれだけ対策をしたとしても、なかには退塾の意向が出てしまうこともあるでしょう。
そんなときのために、生徒や保護者が退塾を考えている際に現れる兆候を紹介します。
<退塾を考えている生徒に現れる兆候>
- 遅刻が増える
- 欠席が増える
- 宿題をしなくなる
- 提出物を忘れがちになる
- 成績が伸び悩んでいる
上記のような兆候が現れたら、生徒や保護者としっかり話す時間を設けるようにしましょう。
退塾の申し出があったときに気をつけたいこと
これまで紹介したように、さまざまな理由により生徒や保護者から退塾の申し出があるかもしれません。
退塾の申し出があった際には、以下のことに気をつけることをおすすめします。
気を付けたいこと①なるべく面談を実施する
生徒や保護者の不安から、退塾につながりやすい傾向にあります。
まずは、面談を実施して退塾を検討する理由をしっかりヒアリングしましょう。
保護者の引っ越しや、金銭的な理由での退塾はやむを得ない事情のため引き留めることは難しいですが、勉強に対する不安などが原因であれば、適切な解決策を提案することで退塾を回避できる可能性があります。
気を付けたいこと②無理に引き留めない
塾の経営にも影響するため、退塾はなるべく引き止めたいという思いがはたらくでしょう。
しかし、退塾したいという希望に対して、塾ができる最大限の対応をしても保護者や生徒の意向が変わらなければ引き留めることはおすすめしません。
もし引き留められたとしても、退塾したいと考える根本の理由が解決しなければ、そう遠くないうちにまた退塾の申し出があるでしょう。
また、もし引き留め方が強引だと生徒や保護者が感じた場合には、口コミサイトなどでマイナスの意見を投稿され、塾のイメージが下がってしまう恐れもあります。
塾でサポートできることはしっかり行ったうえで手を引くラインを持っておくことが重要です。
退塾を回避するための面談のコツ
最後に、退塾を回避するための面談のコツを3つ紹介します。
面談を行う際の参考になさってください。
コツ①何よりもヒアリングを優先する
退塾を回避するために面談で意識したい1つ目のコツは、まずはヒアリングを優先することです。
面談で重要なことは、生徒や保護者がなぜ退塾したいのかという理由を知ることです。
塾側の主張はいったん後回しにして、退塾を希望する理由をヒアリングしましょう。
コツ②本音で話し合う
退塾を回避するために面談で意識したい2つ目のコツは、本音で話し合うことです。
たとえば、生徒の成績が上がらない不安に対して、根拠もなく成績を上げることを約束してはいけません。
なぜなら、いい加減な話をしてしまうと、保護者から信用されなくなってしまうからです。
また、もし成績が上がらなかったときに大きなクレームにつながりかねません。
塾で可能なサポートの内容や範囲をしっかり伝え、生徒や保護者と本音で話し合うようにしましょう。
コツ③生徒の意思を尊重する
退塾を回避するために面談で意識したい3つ目のコツは、最終的には生徒の意思を尊重するということです。
塾のサポートは生徒のためにあります。
生徒が勉強を続けたいのであれば、最大限そのサポートをすることが塾の役割です。
逆に、周囲の人がどれだけ勉強をするように促しても、本人にその意思がないのであれば、無理に勉強を続けさせることはできません。
生徒の主張に耳を傾けることを心がけましょう。
学習塾の集客のためのWEBマーケティング戦略
こちらの記事では、学習塾で生徒が集まらない原因と、集客で活用できるWebマーケティング手法を紹介します。
近年、学習塾の集客では、Webマーケティング戦略が非常に重要となっています。
生徒の集客に課題を抱えている経営者様は、ぜひ参考にしてみてください。
退塾を防ぐために、十分なコミュニケーションをとるようにしましょう
今回は、生徒の退塾が起こってしまう理由や退塾を防ぐための方法を解説しました。
退塾は多くの場合、学力が伸びているかどうかの不安や、塾の環境に対する不安などを生徒自身や保護者が感じていることが理由で起こりやすくなります。
普段から塾は生徒や保護者とコミュニケーションを取り、不安を取り除くことを意識することが重要です。
また、もし退塾の意思が固まってしまっても、生徒や保護者に寄り添うという立ち位置は忘れずに、無理に引き留めないようにしましょう。
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